ドストエフスキーの小説 (11)
(更新:24/04/17)
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これから読む人は、以下、ネタ
ばれの箇所(
の箇所)に注意!

 



後期の短編

「作家の日記」に掲載さ
れた50歳代の時期に創作。



『キリストのヨルカ
に召されし少年』

(他のタイトル訳「キリストの
樅ノ木祭りに召された少年」)


< 概要 >
長めの短編。哀しい名品。わたし(ドストエフスキー)が創作した話しとして、クリスマス前夜の寒い夜、凍えて動かなくなったを地下室に残して街中に出た6歳ぐらいの少年賑やか華やかな街中をさまよい、行き倒れる話を物語った短編。行き倒れて死の眠りに落ちた少年が天でキリストに召された様子を末部に添えている。 
ヨルカはロシアのクリスマスのこと。

[成立時期]
761月に「作家の日記」に掲載。


《所収》

河出書房版全集
(
14
作家の日記()
米川正夫訳)
福武文庫
『後期短篇集』

筑摩版全集
(
12「作家の日記(1)」・
小沼文彦訳)
ちくま文庫
『作家の日記』巻2

新潮社版全集
(
17
作家の日記(1)
川端香男里訳)

光文社古典新訳文庫
『白夜/おかしな人間の夢』
(
安岡治子訳
)

青空文庫
(
神西清訳)
全文



『百姓マレイ』
(他のタイトル訳
「百姓のマレイ」)


< 概要 >
長めの短編。オムスクの共同監獄にいた29歳のわたし(ドストエフスキー)は、9歳の時のある出来事が記憶に思い浮かんできた。当時父の領地を訪れて滞在していた9歳のわたしは、ある日、領地の林で一人で草や枝だなどを採って遊んでいたところ、「狼がくる」という声を不意に耳にして、横の草地へと飛び出し、そこで土を耕していたマレイ(領地内の50歳代の男の百姓)の懐に飛び込みしがみついた。彼は、なにもこわがることはない、キリスト様がついていて下さるから十字を切りなさいと言ってわたしを安心させてくれた。そのあと、そこを立ち去っていくわたしに対しても、ずっと自分がお前を見ていてやると、しばらくそこでほほえみながらわたしを見送ってくれた。わたしはすっかり恐怖心が消えてしまい、無事家に帰り着くことが出来たのだった
以上の形で語られた
回想小説の形の小品。

[成立時期]
62月に「作家の日記」に掲載。


《所収》

河出書房版全集
(
14
作家の日記()
米川正夫訳)
福武文庫
『後期短篇集』

筑摩版全集
(
13「作家の日記(2)」・
小沼文彦訳)
ちくま文庫
『作家の日記』巻2

新潮社版全集
(
18
作家の日記(2))
川端香男里訳)

光文社古典新訳文庫
『白夜/おかしな人間の夢』
(
「百姓のマレイ」安岡治子訳
)

・青空文庫
(
神西清訳)
全文



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