近現代日本
(更新:24/02/09)
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ドストエフスキーからの影響や言及がみられる近現代日本の文学者・思想家・芸術家・科学者・芸能人

名を青く塗った人物
ドストエフスキーへの傾倒ぶりが顕著で知られている人物。

氏名の後に aが付いている人物
「ドストエフ好きー」である人物。

氏名の後にbが付いている人物
ドストエフスキーの作風などに関してクールで批判的な発言が見られる人物。
 
氏名の後にcが付いている人物
ドストエフスキーの、ある小説の筋や小説の中の一部の箇所を踏まえて作品を創作している人物。
(
 )内は、踏まえていることが明らかな作品。

氏名の後にdが付いている人物
指摘されている以上に、ドストエフスキーの文学からの影響が意外とあると思われる人物。

※、近現代日本のロシア文学研究家・ドストエフスキー研究家・ドストエフスキーの翻訳家は、省き、こちらに掲載。 


小説家
(
更新:24/01/24)

二葉亭 四迷
(
氏の作品への、ドストエフスキーの作品の影響が指摘されている。)
(
『浮雲』『其面影』←『罪と罰』) ) cd

森 鴎外
(
ドストエフスキーの独訳短編『鰐』を自ら翻訳している。)
(
『灰燼』の主人公←『悪霊』のスタヴローギン) cd

島崎藤村
(
『破戒』←『罪と罰』) c

馬場孤蝶 a   

小栗風葉   

近松秋江

正宗白鳥
(
ドストエフスキー嫌いで知られている。) b

徳田秋声
(
ドストエフスキーの作風に批判的であった。) b

森田草平
(師匠の漱石に、ドストエフスキーのことをしばしば語る。『悪霊』を「悪霊」の名で初めて邦訳した人。) a

夏目漱石
(
氏は、修善寺の大患をきっかけに、従来批判的であったドストエフスキーにひそかに関心を抱き、ドストエフスキーはその後の氏の小説群にも影響を与えている。) db

芥川 龍之介
(
氏は、早い時期に英文で『カラ兄弟』『罪と罰』などを読破し、『カラ兄弟』のイヴァンの事態に執着している。)
(
『蜘蛛の糸』←?『カラ兄弟』の中の一挿話) c

横光利一
(
氏は、『悪霊』の手法に注目し、『悪霊』は文学の試金石であると述べている。)

葛西善蔵
(
『悪霊』のスタヴローギンにひかれ、執着した。) a   

倉田百三 a

武者小路 実篤
(
『カラ兄弟』を読み、作中に表れている人類救済の意気込みに感嘆している。)

志賀直哉
(
ドストエフスキーの作風に批判的であったが、ドストエフスキーの作品は少なからず読み込んでいたらしい。) b   
   
北条民雄
(
持病の癩(らい)の病におかされながら、ドストエフスキーの諸作品を読破している。) ac

小林 多喜二
(
初期においてドストエフスキーの影響を受けたが、のちにドストエフスキーからは脱してゴーリキーへ向かった。) c

宮本 百合子
(
『貧しき人々の群れ』←『貧しき人びと』) c

葉山嘉樹
(邦訳ドストエフスキー全集を十数回も読破したという強者(つわもの))
(
『淫売婦』『海に生くる人々』←ドストエフスキーの作品) a

太宰治
(
ドストエフスキーについて言及が見られる作品がいくつかあり。) d

坂口安吾
(
『吹雪物語』←『悪霊』) a

島尾敏雄
 
川端康成
(
「川端康成自身のドストエフスキー読書の歴史は長く、その作品への影響は、無視することはできまい。」〔※ロシア文学者の川端香男里氏の指摘〕) d

石川 淳 
(
『焼跡のイエス』←『カラ兄弟』の大審問官の章) c

埴谷雄高
(ドストエフスキーに関して多くの発言を残した。氏は『白痴』が一番好きだったとのこと。)
(
『死霊』←『悪霊』『カラマーゾフの兄弟』) ac

椎名麟三
(ドストエフスキー体験を通して信仰に入る。『悪霊』のスタヴローギンに注目し、『悪霊』を戯曲化。) ac

野間 宏
(
『崩壊感覚』←ドストエフスキーの作品) c

武田泰惇
(
『蝮のすゑ』←『罪と罰』) c

井上光晴
(
ドストエフスキーを敬愛していた。)

大岡昇平
(
アンチドストエフスキーであることを、のちに自ら述べている。)
(
『俘虜記』←『死の家の記録』) bc

竹山道雄
(
『焼跡の大審問官』←『カラ兄弟』の大審問官の章)

小島信夫 d 

遠藤周作
(
ドストエフスキー嫌いだったとも言われている。ドストエフスキーの手法についての発言がいくつかあり。)
(
『おバカさん』←『白痴』) bc

高橋和己
(
エッセイでドストエフスキーの作品にしばしば触れている。)
(
『日本の悪霊』←『悪霊』) ac

三島 由紀夫
(
『仮面の告白』の初めに、『カラ兄弟』のドミートリイの言葉の引用あり。
小説『美しい星』における宇宙人の論争は『カラマーゾフの兄弟』の章「大審問官」の内容を参考にしている。
上掲の高橋和己氏によれば、 1970年の三島の自決は、『悪霊』のキリーロフ的な行為だとのこと。) d

安部公房d  
(
ドストエフスキーの『地下室の手記』で語られた壁の思想を作中に盛り込んでいる。) c

堀田善衛 a 

中上健次
(
影響は受けたようだが、一方、ドストエフスキーを軽蔑し、嫌いだったとも言われている。)
(
『枯木灘』←『カラ兄弟』) bcd

杉浦明平 a 

真継伸彦  a

宮沢賢治
(
ドストエフスキー研究家の清水正氏より、ドストエフスキーの作品からの影響の指摘あり。)
(
『銀河鉄道の夜』←?『カラ兄弟』) cd 

浜田廣介
(
『龍の目の涙』←?『カラ兄弟』) d

江戸川 乱歩
(
『罪と罰』『カラ兄弟』を愛読した。『心理試験』は『罪と罰』の翻案となっている。エッセイの中でもドストエフスキーについて触れ論じている。)
(
『心理試験』←『罪と罰』) c

山本 周五郎 ac

円地文子
(60
歳代以降にドストエフ好きーとなる。) a   

大原富枝

宇野千代 a 


現代作家
(
更新:24/01/24)

宮本 輝
(
『錦繍』←『貧しき人びと』) c

村上春樹
(氏の小説には、ドストエフスキーに関する言及や引用、ドストエフスキーの小説の事柄を踏まえたと思われる内容が、時々みられる。ドストエフスキーの長編小説のような長編小説を最後に書き残したいと願っている模様だ。) c

島田雅彦
(
東京外語大露文科出身)
(
『スピカ、千の仮面』←『貧しき人びと』) c

三田誠広
(
近年、『罪と罰』『白痴』『悪霊』『カラマーゾフの兄弟』を補完していく小説を精力的に上梓している。)
(
『龍を見たか』←『白痴』) ac

大江 健三郎
(年に何回かは、ドストエフスキーの長編を読み直し、自己を活気づけていたとのこと。) acd

加賀乙彦
(精神科医として、ドストエフスキーのてんかんについての論究あり。)
(
『湿原』←『死の家の記録』) ac

五木寛之
(
早稲田大学露文科出身であり、しばしば、ロシアやドストエフスキーに対する発言を行なっている。) a

後藤明生a

丸谷才一 a

日野啓三 a

三浦哲郎

北 杜夫   

小川国夫   

井上 ひさしc

柳美里
(
ユウミリ。女流作家。柳氏は、以前、『罪と罰』の全文を書き写す作業をしたそうです。お好きな小説は『白痴』とのこと。)
(
『ゴールドラッシュ』←『罪と罰』) ac

高村 薫 ac   

倉橋 由美子 

平野 啓一郎
(
小説『決壊』におけるドストエフスキーの作品の影響が指摘されている。)
(
『決壊』←『罪と罰』『カラマーゾフの兄弟』) c

伊坂 幸太郎
(
小説『陽気なギャングが地球を回す』にはドストエフスキーの言葉の引用が多い。) ac   

中村文則
(
大学時代に『地下室の手記』を読み衝撃を受ける。その後も愛読し、作風にもドストエフスキーの影響が見られる。) a  

鹿島田 真希
(高校時代にドストエフスキーに傾倒。その影響からロシア正教徒にもなる。)
(
『0の王国』←『白痴』) ac



詩人

北村透谷
(
『罪と罰』のラスコーリニコフに執着した。)
(
←『罪と罰』) a

萩原 朔太郎
(ドストエフスキーの小説の人道的贖罪思想に強くひかれていた。) a

室生犀星
(
『愛の詩集』←『カラ兄弟』) a

山村暮鳥 a

生田春月

金子光晴  

草野心平


俳人

西東三鬼 
(
ドストエフスキーの作品の表現を踏まえた句あり。) acd

中村 草田男

西島麦南
(ドストエフスキーに生の救いと支えを見出す。) a



歌人

石川啄木
(
自分の娘に、『罪と罰』のソーニャの名を付けている。)


文芸評論家・評論家
(
更新:24/02/09)

小林秀雄
(ドストエフスキーを文学・人生の師として敬愛した。名調子のドストエフスキーの評伝・作品論・登場人物論を残した。) a

河上 徹太郎   

亀井 勝一郎

唐木順三   

荒 正人 a

佐古 純一郎

寺田 透

桶谷秀昭   

秋山 駿
(『白痴』のイポリートに注目するなど、ドストエフスキーについてしばしば論じている。) a
   

遠丸 立 a

福田恆存
(
『悪霊』のキリーロフをめぐって独自の自由論を展開した文章あり。『罪と罰』の脚本も残している。)

山本七平
(
評論家・山本書店店主。小林秀雄を論じた本で、ドストエフスキーについて鋭い発言をしている。)

蓮實重彦
(
文芸評論家・映画評論家。「ドストエフスキーなど今となっては読むに耐えない」などの発言あり。) b

福田和也
(
文芸評論家。ドストエフスキーの作品もよく読んでいて、 ドストエフスキーのことに触れる発言も、いくつかあり。)
 
立花 隆
(
著作の中に、時々、ドストエフスキーの引用が見られる。) a

齋藤 孝
(
大学文系学科教授・著述者。若き日よりドストエフスキーの小説を愛読していて、ドストエフスキーの各登場人物及び作者を「過剰」という観点から論じた著作あり。) a


社会学者・政治学者

勝田 吉太郎
(元京都大学教授。ロシア近代政治思想史を専攻。) a

作田啓一
(
社会学者。元京都大学教授。) a

笠 信太郎

内村剛介
(
評論家・ロシア文学者。戦後のシベリア抑留の体験からか、ドストエフスキーに対しても、独自の辛辣な発言を行なっている。) b

丸山真男
(
元東京大学教授。戦後における、政治学研究の代表格のお方。若いときに、ドストエフスキーの作品に親しんだそうです。) 


哲学者・思想家

西田 幾多郎
(
哲学者。西田哲学と呼ばれる日本独自の哲学を確立。氏はドストエフスキーの作品にも親しんでおり、ドストエフスキー全般についての一家言を述べた文章がいくつかあり。)

西谷啓治
(
哲学者。元・京都大学教授。)

和辻哲郎
(
哲学者)

滝沢克己
(
元九州大学哲学科教授。キリスト教神学の立場から、ドストエフスキーの思想を論じている。)

森 有正
(哲学者。19111976) a 

吉村善夫
(プロテスタント派の文芸研究家) a

久山 康
(元関西学院大学教授。ドストエフスキー研究会を主宰。) a

梅原 猛
(
日本古代の研究家。ドストエフスキーの作品に親しみ、しばしば、ドストエフスキーの作品や思想を取り上げて、現代社会の諸問題に対する鋭い発言を行なっている。) a

柄谷行人
(
現代日本を代表する文芸評論家。ドストエフスキーの作品はすでにほとんど読んだそうで、ドストエフスキー文学のポリフォニー性や作風を論じた論文がいくつかあり。)

中村 雄二郎
(
現代日本の代表的な国際的な哲学者。氏は、近年、「悪」をテーマに、ドストエフスキーの作品の分析に取り組んでいる。)

木田 元
(
現象学研究のリーダー格のお一人。青年期にドストエフスキー文学にも親しみ、ドストエフスキーについて述べた文章が数多くある。)


芸術家

黒澤 明
(映画監督。若い頃から、ドストエフスキーの小説に親しむ。)
(
『白痴』を映画化) ac

手塚治虫
(
青年期に『罪と罰』を愛読し、漫画『罪と罰』を残している。)

青木雄二
(
漫画家。初期の短編『邂逅』は『罪と罰』の翻案。著書『ナニワ金融道』の原点は、マルクスとドストエフスキーとのこと。)
(
『邂逅』『ナニワ金融道』←『罪と罰』) ac


自然科学者

湯川秀樹
(1949
年に日本で初めてノーベル物理学賞を受賞した理論物理学者。氏の書斎にはドストエフスキーの作品群が並んでいたそうで、氏は、ドストエフスキーの『カラ兄弟』のイヴァンの思考法に注目した文章を残している。)

岡 潔
(
きよし。19011978。多変数理論で知られる世界的な数学者。 ドストエフスキーの小説に親しみ、エッセイで、ドストエフスキーのことに触れている。)


芸能人

中谷美紀
(
女優。『白痴』が好きだそうです。)
※ヒエロさんからの情報提供。

えなり かずき
(
タレント。『罪と罰』が愛読書だそうです。)
※テレビ番組「さんまのまんま」で判明。とんとんさんからの情報提供。

きたろう
(
タレント。最も影響を受けた作家はドストエフスキーだそうです。)


 


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