( 祝祭日 )
〇 ヨールカ祭り
12月25日以降、ヨールカ(=唐檜(とうひ)と呼ばれるロシアのクリスマスツリー。降誕祭樹。) の飾り付けが本格化し、12月31日に準備完了し、1月7日の降誕祭(ロシア正教のクリスマス) を経て、1月半ばまで続くロシアのクリスマスの祭りのこと。
ロシアでは12月25日から1月6日までの12日間を「クリスマス週間」としている。
ヨールカの集いには、ロシアのサンタクロースであるマロース爺さんやスネグローチカ(雪娘)が登場する。
〔短編『キリストのヨルカに召されし少年』〕
〇 復活祭
( ロシア語では、パースハ )
十字架にかけられたキリストが三日後に復活したことをたたえ祝う日。
欧米の復活祭(イースター)と同じく、ロシアでも、「春分の次の満月の後の日曜日」に行われる。
移動祝祭日として、年ごとに復活祭の日は異なるが、暦の関係で、カトリックやプロテスタントのそれより一ヶ月ほど遅い、大体、3月後半から4月末にかけての時期に行われ、春の到来を喜び祝う春祭りとしての性格もあり。
ロシア正教では、イエスの十字架の刑による罪の償いよりも、イエスの三日後の復活を「イエスの勝利」として重視するので、復活祭は、ロシア正教の最大の祭日であり、特別な意義を有
している。
復活祭の前夜の0時になると、司祭と集まってきた信者たちの代表が教会の回りを、「ハリスト ス(ロシア正教でのキリストの呼び名)復活せり」などの讃詞を唱えつつ一周する「十字行」を
行い、そのあと、教会の中で、早朝まで夜を徹して立ったまま(正教の教会には基本的に椅子が ない。)祈祷(きとう。聖歌を歌うことが中心。)を行う。朝がくると、「聖体礼儀」が行われ、 信者たちが持ち寄った卵(卵は復活の象徴とされる)・クリーチ(円筒形のパンケーキ)・パースハ(復活祭用のチーズケーキ)などを交換し食して、イエスの復活の喜びを分かち合う。
〇 大斎
( おおものいみ、四旬祭、
四旬斎、四旬節、
ロシア語では、ポスト )
復活祭を迎える前の7週間(主日(=日曜、復活日)を除いた40日間)の準備期間のこと。
イエスが食べ物も飲み水もなしに悪魔の誘惑を受けながら荒野で過ごした40日間の苦しみを分かち合うという意味があり、その期間、信者は、菜食に入り、特別な祈りの句を唱えつつ、
斎(ものいみ)し・精進して過ごす。
復活祭の前の一週間を「受難週間(神聖週間)」、復活祭の週を「光明週間」と言う。
〔『カラマーゾフの兄弟』の第6編第2のマルケールの回心の箇所、など。〕
復活祭のあとは祝いの40日間があり、復活祭から50日目には、「聖霊降臨祭(至聖三者祭、五旬祭)」が行われる。
〔『罪と罰』の第6部の6、など。〕
( 個人の祝い日 )
〇 名の日の祝い
( 命名日の祝い )
自分の洗礼名と同じ名を持つ聖者の祭日。誕生日よりも盛大に行われる。
〔『未成年』第1部の第2章の1、など。〕
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