ドストエフスキーのどの小説の中
にある箇所かを、当てるクイズ
問題本文 (110)
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< 問題本文 (110) >   


1.
彼はすぐそばにさらさらと流れている小川に口をつけて、水ばかり飲んでいる。
ひんやりと涼しく、なんともいわれぬ美しい空色のつめたい水が、色とりどりの小石の上や、金色にぴかぴか光るきれいな砂の上を流れている…… 
(
新潮文庫)
    
          
2.
夜の青ざめた闇をすかして、ひろびろとした空間にまき散らされた建物のどっしりした集団が、ふいにくろぐろと見えてきた。
(
米川正夫訳)
   
       
3.
すきとおるような紺碧(こんぺき)の大空に何鳥か、鳥を見つけて、執拗(しつよう)にいつまでもその飛んでいく姿を追う。さっと水面をかすめて、青空に消えたかと思うと、またちらちらする一点となってあらわれる……早春のある日、岸の岩の裂け目にふと見つけた、しおれかけた哀れな一輪の草花でさえ、何か痛ましくわたしの注意をとめるのだった。
(新潮文庫)


4.
一日も過ぎて、
暗く暑い、死せるがごときセヴィリヤの夜が訪れた。空気はかつらとレモンの香ににおっている。深い闇の中に、とつぜん ( 以下、略 ) 
(
米川正夫訳)

          
5.
「口笛が鳴った! さあ、
犬ころ、四つんばいになってお行き!」
(
米川正夫訳)

                
6.
彼は
ぎくっとして、急いで窓をはなれた。
(
新潮文庫)

           
7.
「それじゃあね、△△△、はっきり言っておくけど、あれはほんとうにつまらない、それこそからっぽの男なんだよ……ああ、ああ! わたしのことを性悪女(しょうわるおんな)だとお思いだろうね?」
相手は目をむいた。
「性悪女の、暴君とさ?――あの人の一生を台なしにした?」
「どうしてそんなことが、あなたご自身、泣いていらっしゃいますのに?」
▽▽▽の目には、ほんとうに涙が宿っていた。
(新潮文庫)


8.
日本じゃ恥辱(ちじょく)を受けた者が恥辱を与えた者のところへ行って『きさまはおれに恥をかかした、だからおれはきさまの眼の前で自分の腹を切ってみせる』と言うそうじゃありませんか。そして、ほんとに相手の眼の前で自分の腹を切って、それで実際に仇(あだ)討ちができたような気分になって、すっかり満足するらしいんですがね。世の中には奇妙な性質もあるもんですねえ、△△△さん!」
(
新潮文庫)

          
9.
「あの女は若いころ、環境にむしばまれて身を持ちくずしたかもしれないけれどもでも
《数多く愛し》ましたからね、数多く愛した女はキリストもお赦(ゆる)しになったじゃありませんか……」
(
米川正夫訳)

                       
10.
「でもあっしは真珠をちょうだいしただけなのさ。それに、あんたにゃわかるまいが、ひょっとしたら、あっしの涙の玉が神さまの思(おぼ)し召しであのとき真珠に変わったのかもしれねえじゃないか。神さまが、この世にこれという隠れ家もねえ、みなし子同然のあっしの不幸を憐(あわ)れんでくだすってさ。」
(
米川正夫訳)


 
→  《答え》は、こちら


 

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