・邦訳されている分を中心に掲載。青字の書は、重要な「ドストエフスキー」論書。
・「 」は、学術論文や、ある本の中の文章。
< ロシア 3 >
〔 ミハイル・バフチン 〕
文芸学者。1895〜1951。
その著作は、1960年代に
なって相次いで刊行さ
れ、注目を集める。
『ドストエフスキー論―
創作方法の諸問題』
(1929年。新谷敬三郎訳。
冬樹社1968年初版。)
『ドストエフスキーの
創作の問題』
(桑野 隆訳。平凡社ライブラ
リー2013年初版。
上書の新訳。)
『ドストエフスキーの詩学』
(望月哲男・鈴木淳一訳。
ちくま学芸文庫1995年初版。
上書の1963年の増補版。)
全5章。ドストエフスキーの小説の「ポリフォニー性、カーニバル性(第4章)」について論じ、1970年代以降のドストエフスキー研究に大きな影響を与える。末部に、訳者の望月哲男氏による各章の内容の詳しい解説があり。
〔 シクロフスキー 〕
作家・批評家。1893〜1984。
ロシア・フォルマリズムに属する人物であり、氏の「異化」理論は知られている。
『ドストエフスキー論―肯定と否定』
(1957年刊。水野忠夫訳。勁草書房1967年刊。)
独自の文学的視点に基づいての『貧しき人々』『分身』『地下室の手記』『罪と罰』等の論。スターリン批判後のドストエフスキー再評価のさきがけとなったドストエフスキー論書。
〔 ヴェチェスラフ・イワーノフ 〕
詩人・文芸理論家。ロシアの後期象徴派の理論的指導者。1924年、ローマに亡命。
氏のドストエフスキー論は、バフチンのポリフォニー論の母胎となる。1866〜1949。
「ドストエフスキーと悲劇小説」
〔『畔道』(1916年刊)に所収。1952年に、氏の評論集の中に入れて、英訳して出版。〕
〔 トゥイニャーノフ 〕
ラトヴィア出身のロシア文学史家。1894〜1943。
ロシア・フォルマリズムの流れに属する人。
「ドストエフスキーとゴーゴリ―パロディーの理論に向けて」(1921年)
(水野忠夫訳。集英社年1966年刊『現代評論集』、筑摩書房1975年刊『世界批評大系』第7巻に所収。)
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