・青字の書は、重要な、ある
いは、研究者必携の本。
・「」は、学術論文や、
ある本の中の文章。
< 日本―1-1 >
ロシア文学の翻訳・研究家
米川正夫
(よねかわ)
ドストエフスキー文学を初め、
ロシア文学の翻訳・
研究家。1891〜1965。
元早稲田大学文学
部露文科教授
(在職1951〜1962)。
『ロシア文学史』
(穂高書房1947年初版。
のちに、1951年に
角川文庫化。)
の項「ドストエーフスキイ」。
『ドストエーフスキイ入門』
(市民文庫39。河出書
房1951年初版。)
ドストエフスキー伝、
主要作品研究。
『ドストエーフスキイ研究』
(米川正夫個人訳全集
の別巻。1970年初版。)
ドストエフスキー伝、
主要作品研究、伝記上
の参考文献、年譜、
ドストエフスキー文献。
『鈍・根・才』
(河出書房1962年刊、日本
図書センター1997年刊。)
の中の分。
米川氏のエッセイ集。
「ドストエフスキイを語る」
の中の発言。
〔埴谷雄高・吉村義夫・
他諸氏との座談会。
1956年、1957年。
『埴谷雄高ドストエフス
キイ全論集』(講談社
1979年初版)に所収。〕
<ドストエフスキーの著作
の翻訳>
愛蔵決定版ドストエフ
スキー全集
(全20巻・別巻1。米川正
夫個人訳。河出書房新
社1969〜1971年刊)
「カラマーゾフの兄弟」
「白痴」
「悪霊」
「未成年」
(以上、岩波文庫)
小沼文彦
ドストエフスキーの
文学の翻訳・研究家。
1916〜1998。
『ドストエフスキー』
(日本基督教出版
1977年初版。)
ドストエフスキーの評伝。
『ドストエフスキーの顔』
(筑摩書房1982年初版。)
ドストエフスキーに関す
る論文・エッセイ集。
『随想ドストエフスキー』
(近代文芸社
1997年初版。)
日本におけるドストエフ
スキー文学の受容史、
ペテルブルグの旧居探索、
ドストエフスキーに関す
る各エッセイ、など。
<ドストエフスキーの著作
の翻訳>
ドストエフスキー全集
(全23巻。小沼文彦個
人訳。筑摩書房
1962〜1991年刊。)
「二重人格」
(岩波文庫)
「白夜」(角川文庫)
「作家の日記」
(ちくま学芸文庫)
「ドストエフスキー
未公刊ノート」
(小沼訳。筑摩書房
1997年7月刊。)
『人生の知恵―ドスト
エフスキーの言葉』
(小沼文彦訳編。
弥生書房1969年初版。
1997年新装版。)
『ドストエフスキー
箴言と省察』
(小沼文彦編訳。
教文館1985年初版。)
前書に比べ、ドストエフ
スキー自身の言葉を
中心に編集したもの。
<ドストエフスキー関係
の著作の翻訳>
『ドストエフスキーの信仰』
(A‐ボイス‐ギブソン著。
広瀬良一との共訳。
ヨルダン社1979年初版。)
『ドストエフスキーの
「大審問官」』
(J.S.ワッサーマン編。
冷牟田幸子との共訳。
ヨルダン社1981年初版。)
欧米の研究者の「大審
問官の章」論を多数収
めている論集。
江川 卓
(たく)
ドストエフスキー文学・
ロシア文学の翻訳・研究家。
1927〜2001。
元東京工業大学教授・
元中京大学教授。
「ドストエフスキーと
ソルジェニーツィン」
(日本アジア・アフリカ作
家会議編『文学を考
える』(毎日新聞社
1978年刊)に所収。)
『ドストエフスキー』
(岩波新書。1984年
初版。「評伝選」シ
リーズの特製版
あり。)
『貧しき人々』の成立に
おけるロシアの先行文
学(メタ文学性)、語りの
手法、背景としてのロシ
アの宗教的土着世界、
ドストエフスキーの文学
の時代性・現代性、
などに関する論。
『ドストエフスキーの現在』
(亀山郁夫との共編。
JCA出版1985年初版。)
『悪霊』を中心としたド
ストエフスキーの小説
に関する諸氏の論文集。
「ドストエフスキーの現在」
(上書に所収。)
「『カラマーゾフ』が予
言していた現代日本人」
(月刊「新潮45」1985年
12月号のp144〜p159。)
『謎とき『罪と罰』
(新潮選書。新潮社1986年
2月初版。雑誌『新潮』の
1983年3月号〜1985年
8月号に連載した分
に加筆したもの。)
小説『罪と罰』に様々に
細工され仕掛けられて
いるからくりや表現の
重層性、小説の中に出
てくる読者にはわかり
にくい事物や表現、な
どを、原文のロシア語、
ロシア社会の習俗、フ
ォークロア、当時の風俗
や世相に関する知識な
どを駆使して新たに解
き明かし、ロシア文学者
江川卓氏の名を高か
らしめた話題の書。
『謎とき『カラマーゾ
フの兄弟』』
(新潮選書。新潮社1991年
初版。雑誌『新潮』の
1988年1月号〜1990年
4月号に連載した分に
加筆したもの。)
『謎とき『白痴』』
(新潮選書。新潮社1994年
初版。雑誌『新潮』の
1992年2月号〜1993年
11月号に連載した
分に加筆したもの。)
以上、『謎解き「罪と罰」』
に引き続いての、江
川氏の謎ときシリー
ズの二書。
「謎とき「悪霊」1・
椋鳥の里の悲劇」
(雑誌『新潮』1996年
1月号に所収。)
「謎とき「悪霊」2・
覇を競う父と子」
(雑誌『新潮』1996年
3月号に所収。)
鼎談「ドストエフスキーの
現在―『罪と罰』から『白
痴』へそして未完の
『カラマーゾフ』へ」
(小沼文彦・清水正との
鼎談。「江古田文学」
1987年春第12号に所収。
p24〜p66。1986年
11月14日に行われ
た鼎談。)
『新潮世界文学辞典』
(新潮社1990年刊。
CD-ROM版も
あり。)
の中の
項「ドストエフスキイ」。
『集英社世界文学
大事典』
(集英社1997年刊)の
第3巻の
項「ドストエフスキイ」
(p169〜p180)。
<ドストエフスキーの著作
の翻訳>
「罪と罰」
(旺文社文庫。全二冊。
1966年初版・
1968年特製版。)、
「罪と罰」
(学習研究社の世界文
学アルバムの巻37。
1977年初版。)、
「罪と罰」
(岩波文庫。全三冊。
1999年11月〜2000年
2月初版。)、
「カラマーゾフの兄弟」
(縮約版。集英社版「世界
の名作」コンパクトブ
ックス。1964年初版。)、
「カラマーゾフの兄弟」
(集英社の愛蔵版世界
文学全集の巻19。
1975年初版。)、
「カラマーゾフの兄弟」
(集英社の世界文学全
集の巻45・46。
1979年初版。)、
「地下室の手記」
(新潮文庫・1969年
初版・1993年
改訂版。
新潮世界文学
の巻10。
新潮社版全
集の巻6。)、
「悪霊」
(新潮文庫・1971年
初版。新潮世界
文学の巻13。
新潮社版全集の
巻11・12。)、
「貧しき人々」
(集英社の世界文
学全集の巻43。
1979年初版。)、
「分身」
(新潮社版全集の
巻1。1978年初版。)、
「書簡(V)―作家、
編集者への手紙」
(新潮社版全集の巻22)
中村 健之介
ドストエフスキー文学の研究家。
1939〜。元・東京大学
教養学部教授。
北海道大学名誉教授。
『ドストエフスキー・
作家の誕生』
(みすず書房
1979年初版。)
初期作品群や『死の家
の記録』『虐げられた
人たち』『地下室の手
記』、『悪鬼たち(=悪
霊)』のステパン氏、
『未成年』のアルカージ
ー、初期小説の成立
過程、等に関する論。
『ドストエフスキー・
生と死の感覚』
(岩波書店
1984年初版。)
中村氏の論文集。
『ドストエフスキー
と女性たち』
(講談社
1984年初版。)
ドストエフスキーの妻や
愛人、女性の登場人物
などの紹介と論。
『ドストエフスキー
のおもしろさ』
(岩波ジュニア新書。
岩波書店1988年初版。)
テーマに分けて、ドスト
エフスキーの言葉を
掲げ、ドストエフスキーの
ことを多面的に紹介。
末部に「ドストエフスキー
の生涯」「主要作品
解説」あり。
『ドストエフスキー
人物事典』
(朝日選書399。朝日
新聞社1990年初版。)
ほぼ全小説の登場
人物の解説と論。
『知られざるドス
トエフスキー』
(岩波書店
1993年初版。)
中村氏の論文集。
『永遠のドストエフスキ
ー―病いという才能』
(中央公論新社
2004年7月刊)
「ドストエフスキー
の生涯と体験」
(1986年北海道大学
図書刊行会刊『近代
ロシアの歴史と文学』
に所収。p91〜p102。)
「ドストエフスキー」の項
(1989年平凡社刊『ロシ
ア・ソ連を知る事典』の
p393〜395。)
「ドストエフスキー年
代記(1〜12)」
〔『ドストエフスキー・写真
と記録』(中村健之介訳。
論創社1986年初版。
編集代表:ネチャーエワ
女史。)に所収。〕
<ドストエフスキーの著作
の翻訳>
『ドストエフスキー
の手紙』
(中村健之介編訳。
北海道大学図書刊
行会1986年初版。)
<ドストエフスキー関係
の著作の翻訳>
『ドストエフスキー
の蔵書』
(グロスマン他編。
日本ドストエフスキ
ー協会資料センタ
ー1973年初版。)
『ドストエフスキー
の青春』
(コマローヴィチ著。
みすず書房1978年
初版。)
『ドストエフスキー・
写真と記録』
(ネチャーエワ編。
論創社1986年初版。)
時期別に分けて、年譜
と、ドストエフスキーや
知人や後世影響を受
けた東西の人物の
葉を列挙している。写
真や肖像画、多数掲載。
『ドストエフスキーの恋
人スースロワの日記』
(ドリーニン編。
みすず書房
1989年初版。)
『ドストエフスキー裁判』
(N・F・ベリチコフ編・
中村健之介編訳。
北海道大学図書刊
行会1993年初版。)
ドストエフスキーが連座し
たペトラシェフスキー事
件の逮捕から裁判で
の判決までの各
記録を収録している。
『ドストエフスキー
蔵書目録』
(グロスマン他編。
1994年北海道大学
図書刊行会。)
原 卓也
ロシア文学の翻訳・
研究家。1930〜2004。
元東京外国語大学教授。
日本ロシア文学会会長。
『ドストエフスキー』
(講談社新書。1981年
講談社初版。)
各章ごとにドストエフスキー
の生涯と文学における
事項とテーマを取り上
げて、ドストエフスキーの
生涯、その文学と思想、
当時のロシアの社会
状況のことなどを紹介
している。
「対談なぜドスト
エフスキーか」
(五木寛之氏との対談。
新潮社版全集発刊記
念パンフ『ドストエフスキ
ー読本』1979年発行
のp10〜p15に所収。)
<ドストエフスキーの
著作の翻訳>
「カラマーゾフの兄弟」
(新潮文庫)
「賭博者」「鰐」、
書簡、評論
(以上、新潮社版全集
に所収。)
<ドストエフスキー関係
の著作の翻訳>
『ドストエフスキーとペ
トラシェフスキー事件』
(小泉猛との共編訳。
1971年集英社初版。)
『ドストエフスキーの一
日―ルーレテンブルグ』
(グロスマン著。
1981年講談社初版。)
工藤 精一郎
ロシア文学者・翻訳家。
1922〜2008年。
元関西大学文学部教授。
「ボジェドームカ通り
界隈―ドストエフス
キーの生家―」
「ドストエフスキーは
変節者か―1849年
のロシア社会主義
者たち―」
「削られたソーニャ
―『罪と罰』の受難―」
〔以上、『ロシア文学裏
ばなし』(中央公論
新書。1990年初版。)
に所収。〕
<ドストエフスキーの著作
の翻訳>
「罪と罰」
(新潮文庫)
「死の家の記録」
(新潮文庫)
「未成年」
(新潮世界文学)
「未成年」
「ステパンチコヴォ村
とその住人」、
書簡、
他短編
(以上、新潮社版全集)
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