玉国宇部商の甲子園
でのミラクル試合・一覧
(更新:24/02/08)
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〔事項〕

玉国宇部商の、

ミラクル試合の内容・特徴

 甲子園での主なミラクル試合

 甲子園でのミラクル試合・一覧



甲子園での宇部商の
ミラクル試合とは?

(更新:24/02/08)


下に列挙した甲子園での主なミラクルの試合の内容をみればわかる通り、
玉国宇部商の甲子園大会でのミラクル劇とは、
・9回裏の2ランで逆転サヨナラ勝ち
をはじめ、
・ビハインド(1点差の場合が多い)で迎えた9回表あるいは9回裏に(9回表の場合が多い)、三塁打や本塁打を中心に強攻策の一発長打により2点以上を入れて逆転して試合に勝利する、
とい
う試合終盤における劇的な逆転勝利のこと
である。

なお、

・7回裏に同点の3ランを打ち込み9回裏にタイムリーでサヨナラ勝ち
・7回裏に長打をからめて追いつき、8回裏に二者連続ホームランで勝ち越しして勝利
など、
試合終盤に一発長打で同点に追いつき、そのあとに勝ち越ししての勝利

・9回表に1点を入れて勝ち越したが9回裏に1点を入れられて同点となり、あるいは、9回表に適時長打で追いつき、延長に入って満塁ホームランなどで勝ち越しして勝利

などのパターンの勝利試合も含まれる。

試合終盤に、相手の守備のミスによる得点ではなく、出塁してもバントを多用せずに一発長打によって得点して逆転勝利することが特徴だ。


甲子園初出場の76年夏以降、甲子園初勝利の試合となった、
83年夏の帝京戦
での9回裏での逆転サヨナラホームランを皮切りにミラクルは顕著に現れ始め、
85年夏、88年春夏、90年夏、91年夏、95春、98年夏の試合
を中心にミラクルが現れて、
玉国監督の最後の甲子園出場の、
05年夏の準々決勝・準決勝
においても、ミラクルの健在が示された。

なお、それらの試合は、その試合に登板した
ピッチャーの面では、

88年春夏の木村投手
90年夏91年夏の金藤投手
05年春夏の
好永投手

をその代表として、
美形のアイドルの容姿で人気となった細身細面の左腕エースが好投して活躍している場合が多くて、甲子園では、全国の女性ファンがマウンド上の左腕エースに熱い視線を送った。

そういうわけで、
玉国監督の時代に宇部商は甲子園に出るたびにミラクルの劇的な試合を行う
ということで、宇部商は、「ミラクル宇部商」と呼ばれた。

また、
逆転試合をよく行う
という点で、当時、宇部商は、PL学園、報徳学園と並んで「逆転の御三家」とも称された。



玉国監督の甲子園での
主なミラクル試合

(更新:24/02/08)

玉国監督率いる宇部商の76年〜05年の春夏の甲子園での試合(40試合)から、勝敗を問わずミラクル劇が大なり小なり見られる試合を20試合選出。以下の()(20)の20試合。勝利したミラクル試合()(13)13試合。右に付した「ミラクル度」は10点を最高度としての評価点。
は、現在YouTubeにその試合のダイジェスト・録画・シーンあり。


知名度Aの試合

(
)
中京戦 ミラクル度:9.5
88年春の3回戦〕


宇部商 00000000
=2
中京  0000000
0=1

9回表の1死まで相手の木村投手にパーフェクトに抑えられていて完全試合かという時に、8番西田選手が執念の一二塁間ヒットで出塁して犠打で二進した2死2塁で、1番坂本選手が左中間ラッキーゾ―ンに逆転2ランを放り込む。その裏は0点に抑えて、勝利。2回戦(下記の(10)の試合)に続いて逆転勝ち。好左腕・木村投手が完投。相手の木村龍治投手はのちに読売巨人軍に入団。


(
)
帝京戦 ミラクル度:9
83年夏の2回戦〕

帝京  031100000=5
宇部商 10
000=6

先制するも、そのあと、反撃を受けて5回表を終わって2-5の中、5回裏に6番浜口選手が右翼へ2ラン放って1点差にし、そのまま4-5の1点差で迎えた9回裏、0アウト1塁で再び浜口選手がレフトポール際へ逆転2ランを放ち、劇的な逆転サヨナラの勝利となった。豪腕の好右腕・秋村投手が完投。この試合で、宇部商は夏の甲子園初勝利。玉国監督率いる宇部商の「元祖ミラクル試合」と称してよい試合。


(
)
東海大甲府戦 ミラクル度:9 
88年夏の3回戦〕

宇部商    00010000=4
東海大甲府 000000
110=2

8回裏を終わって1-2。9回表、1死2・3塁と進めた場面で、代打で打席に立った1年生の宮内選手がバックスクリーンに豪快に逆転3ランその裏は0点に抑えて、勝利。2回戦(下記の()の試合)に引き続いての逆転勝利。また、同年の春の選抜大会の試合(上記の()の試合)に引き続いての、3回戦9回表での逆転劇。好左腕・木村投手が完投。東海大甲府は、3年前の準決勝の試合(下記の()の試合)に引き続き、宇部商に再び逆転負け。


(
)
日大三戦 ミラクル度:8.5
05年夏の準々決勝〕
(ニコニコ動画で観れます)

宇部商 10000100
=5
日大三 000010
020=3

8回裏に2点を入れられて2-3と逆転される。9回表、星山選手・井田選手の連打で無死1・2塁とした場面で、2番上村選手が目の覚めるようなライトオーバーの3塁打を放ち4-3と逆転。1死のあと、4番好永選手の気迫のセンター前ヒットで1点を追加する9回裏は2死1・2塁となるも後続を断って0点に抑えて勝利した。好左腕・好永投手が完投。玉国野球の健在とミラクル宇部商の復活が示された好試合。


(
)
東海大甲府戦 ミラクル度:8
85年夏の準決勝〕

東海大甲府 03110000=6
宇部商    00100
=7

-6でむかえた7回裏、1点を返した後、4番藤井選手が同点3ランを放つ。同点のまま迎えた9回裏にその藤井選手が敬遠されたあと1アウト満塁で7番桂選手がセンター前へヒットを放ち、サヨナラ勝ち。4回表から田上投手をリリーフした古谷投手がそのあと東海大甲府打線をよく抑えた。準々決勝(下記の()の試合)に引き続いての逆転勝利。この試合の勝利で宇部商は決勝に進出し、KKコンビのいるPL学園と激闘を演じた

 

知名度Bの試合

()
桐蔭学園戦 ミラクル度:8
95年春の1回戦〕

宇部商  000021=10
桐蔭学園
0000000 =9

この大会の優勝候補である桐蔭学園は初回に6点を先取したが、5回表に三塁打2本や3番福田選手の2ランで一挙6点を返して追いつくそのあと、試合の後半で、6回裏に3点を入れられるも、7・8・9回で4点を返して再逆転して勝利左横手投げの三分一(さんぶいち)投手が完投。甲子園出場は春夏合わせて4年ぶりながら、ミラクル宇部商の健在が示された試合。


(
)
鹿児島商工戦 ミラクル度:7
85年夏の準々決勝〕

宇部商    000
12=5
鹿児島商工
00000000=3

3点差から、4回表の藤井選手のソロをはじめ8回表までに計3点を入れて追いつき9回表に佐藤選手・田処選手のタイムリーで2点を入れて勝ち越しし、その裏は田上投手を2回裏から救援した古谷投手が0点に抑えて、勝利。


()
渋谷戦 ミラクル度:8
90年夏の2回戦〕

宇部商 0000001 4=8
渋谷  00
000011 0=4

7回表に二者連続タイムリーで3点を入れて逆転8回裏に同点とされ、9回表に相手の悪送球で1点を入れて勝ち越すも、9回裏に適時三塁打で1点を献上して延長戦に入る10回表、6番松本選手の満塁ホームランが出て勝ち越しし、その裏は0点に抑えて、勝利。2年生の好左腕・金藤投手が完投。捕手は、3年生になった宮内選手。相手の渋谷高校には、中村紀洋選手(元横浜DeNAベイスターズ)が出場している。



知名度Cの試合

()
八幡商戦 ミラクル度:7.5
88年夏の2回戦〕

八幡商 0
1110000 =4
宇部商 010010
22×=6

-4で迎えた7回裏に、2アウトランナー無しからの代打宮内選手のライト線への2塁打、1番坂本選手の三遊間を抜けるタイムリー(代走の伊藤選手が好走塁で生還)、2アウト2塁での2番小松選手の大きくバウンドしたセカンドゴロを捕った二塁手の三塁への悪送球による三塁走者の生還、の2得点で追いつき8回裏に、5番寺岡選手・6番城市選手の2者連続ホームランによる2点追加で勝ち越しをして、試合を決めた。9回表は0点に抑えて、勝利。好左腕・木村投手が完投。代打で出場して二塁打を放った1年生の宮内選手は次戦で9回表に代打逆転3ランを放った。


(0)
堀越戦 ミラクル度:8
88年春の2回戦〕


宇部商 00000
00 00=3
堀越  
00000000 000=2

2点を先取されるも6回表に1点、そして、9回表に2アウトランナー無しで代打の小松選手が四球を選び果敢に盗塁を成功させた2アウト2塁で、1番坂本選手が右中間に見事適時2塁打を打ち返して1点を取って同点に追いつき、延長に入る。12回表に再び坂本選手の右中間2塁打を皮切りに勝ち越しの1点を入れ、その裏は0点に抑えて、勝利。好左腕・木村投手が完投。


(1)
学法石川戦 ミラクル度:7.5
91年夏の2回戦〕

宇部商  010000
=8
学法石川
000000=3

7回表に0アウト満塁からタイムリー、1死後、3塁への牽制悪送球、3番田中選手の2点右中間二塁打、2死後、タイムリーで一挙5点を入れて逆転。さらに9回表に2点を入れて突き放し、勝利。好左腕・金藤投手が完投。


(12)
美濃加茂戦 ミラクル度:7
90年夏の1回戦〕


美濃加茂 0000000
11=2
宇部商  0
00000×=3

8回表に同点に追いつかれて1-1で迎えた8回裏、6番松本選手のレフトスタンドへの豪快な2ランで勝ち越し。9回表を1点に抑えて勝利。好左腕・金藤投手が完投。4番捕手は3年生になった宮内選手で、この大会初試合の2回表の初打席に2年前の夏に続いて再び豪快なホームラン(右中間スタンドへのソロ)放っている。


(
13)
日大東北戦 ミラクル度:6.5
98年夏の1回戦〕


日大東北 000
110000=2
宇部商  000
22100×=5

1点を先制された4回裏2死2・3塁から清水選手の中越え二塁打で逆転5回表に追いつかれるが、5回裏に1死満塁とし犠飛と嶋村選手の三塁線を抜く適時二塁打で2点を加え、再びリードし6回裏には清水選手の左翼線ランニング本塁打で突き放しその後も0点に抑えて勝利。山下投手のあと2年生の藤田投手が好リリーフ。7年ぶりの夏の甲子園出場で、取られたらすぐに取り返す逆転の宇部商の健在が示された試合。


*  *  *


以下の(14)(20)は敗戦試合

(
14)
京都外大西戦 ミラクル度:7.5
05年夏の準決勝〕


京都外大西 100200
=10
宇部商    0000
2311=8

-3から、まず、5・6回に、山野選手の2点2塁打などにより、2点・3点を入れて5-3と逆転。7回に3点を奪われて逆転されるも、7・8回に1点ずつ入れて7-6と再逆転。9回表に暴投などの失策もからんで10-7と再びひっくり返される9回裏は四球とヒットで無死1・2塁とするも1点のみの得点に終わり、敗退。5試合の連投となった好永投手が完投。試合の終盤は、チームの疲れがピークとなり、投・守・打の力の持続において限界に至っていたことが惜しまれる。


(
15)
沖縄水産戦 ミラクル度:7
91年夏の3回戦〕

宇部商   00000
2210=5
沖縄水産 
00000×=7

-6から、6・7・8回に、岡田選手の2ランなど、計5点を入れて1点差まで迫ったが、さすがは栽監督、8回裏の1点の追加がきき、9回表は0点に終わって5-7で敗退。負け試合ながら、8回表までの試合後半は2回戦(上記(11)の試合)に続いてのミラクル的追いつきの試合と言ってよい。好左腕・金藤投手が完投。


(
16)
常総学院戦 ミラクル度:5.5
02年夏の1回戦〕


宇部商  00000000
=2
常総学院 00000
×=3

-3で迎えた9回表、2アウトから4番・5番の連打でランナー1・3塁で6番古谷選手が目の覚めるようなレフト越え2塁打を放ち、2人の走者が生還して(二塁走者も三塁へ進んだ)、1点差に迫った。そのあと、再びマウンドに戻った飯島投手が次打者を平凡なセカンド後方フライに打ち取って、三塁走者を返せず、敗戦。好右腕・古谷投手が完投。前年の大会の1回戦で花咲徳栄に012で零封されていただけに、再び零封されてなるものかと、9回表に、あわやミラクルとなる意地を見せた。


(
17)
宇和島東戦 ミラクル度:7.5
88年春の準々決勝〕

宇部商  0010000
0=4
宇和島東 00000
00=5

-2で迎えた8回表、2アウトランナー無しから2者が出塁し木村選手・伊藤選手のタイムリー連打で3点を入れて4-2と逆転するも、9回裏に1点献上のあと1アウト満塁で3番明神選手のレフト前タイムリーで二者が返り、2回戦(上記の(10)の試合)・3回戦(上記の()の試合)とは逆に、逆ミラクルを受けて、敗戦。好左腕・木村投手が完投。この時の宇和島東の監督は元済美監督の上甲監督。


(18)
PL学園戦 ミラクル度:7
85年夏の決勝
戦〕

宇部商 01000
000=3
PL学園 000
11101=4

-2で迎えた6回表、藤井選手のセンター越えの適時3塁打と田上選手の外野犠牲フライで2点を入れて逆転するも、同点で迎えた9回裏に松山選手の右中間適時打で1点を入れられ、サヨナラ負け。好右腕・古谷投手が好投した。横綱格のPL学園と激しい接戦を演じた名勝負の決勝戦だった。清原選手が放った2発の豪快なソロホームランが勝敗に響いた。


(19)
秋田商戦 ミラクル度:5.5
76年夏の1回戦〕

秋田商 0100000
0=4
宇部商 0000
0000=3

-1で迎えた5回裏、柿田選手の3ランで3点を入れて逆転するも、8回表に3点を入れられて逆転され、8・9回に得点できずに敗退。好左腕・藤井投手が完投。玉国宇部商の甲子園での初めての試合。


(
20)
PL学園戦 ミラクル度:5
85年春の2回戦〕


PL学園 0201000
21=6
宇部商 00
00000=2

-2で迎えた3回裏、適時打で1点を返し、-3で迎えた7回裏、田処選手の豪快なソロで1点を返して1点差に迫るも、8・9回に3点を入れられて突き放され、8回裏・9回裏に得点できずに敗退。好左腕・田上投手が完投。昨秋の新チーム結成以来公式戦は無敗を続けていた。PL学園とはこの年の夏の決勝で再び激突した。




玉国監督甲子園ミラクル試合・一覧
(更新:24/02/08)


〇〇〇(〇〇〇★★は特に)、ミラクルの勝利試合。

は敗戦ながらミラクルが見られた試合。

は劇的な痛恨の敗戦試合。

は完敗。は逆にミラクルを受けて敗戦した試合。

は完勝。は優勝候補に勝った試合。

〔  〕は甲子園で登板した投手。は左腕。Aは2年生。

 

1976年・夏

〔藤井

1回戦

宇部商3-4秋田商

 

1982年・夏

〔秋村A〕

2回戦

宇部商1-3高岡商

 

1983年・

〔秋村〕

1回戦

宇部商0-2久留米商

 

1983年・夏

〔秋村〕

2回戦

宇部商6-5帝京★★

3回戦

宇部商3-0仙台商

準々決勝

宇部商1-4横浜商

 

1985年・

〔田上

1回戦

宇部商9-1熊谷商

2回戦

宇部商2-6PL学園

 

1985年・夏

〔田上、古谷〕

1回戦

宇部商8-3銚子商

2回戦

宇部商8-0鳥取西

3回戦

宇部商8-5東農大二

準々決勝

宇部商5-3鹿児島商工

準決勝

宇部商7-6東海大甲府★★

決 勝

宇部商3-4PL学園

 

1988年・

〔木村

2回戦

宇部商3-2堀越 (延長12回)

3回戦

宇部商2-1中京★★

準々決勝

宇部商4-5宇和島東

 

1988年・夏

〔木村

1回戦

宇部商8-0日大山形

2回戦

宇部商6-4八幡商

3回戦

宇部商4-2東海大甲府★★

準々決勝

宇部商3-7浦和市立 (延長11回)

 

1990年・夏

〔金藤A清水()A

1回戦

宇部商3-2美濃加茂

2回戦

宇部商8-4渋谷 (延長10回)

3回戦

宇部商2-4西日本短大付

 

1991年・夏

〔金藤清水()

1回戦

宇部商2-0東邦

2回戦

宇部商8-3学法石川

3回戦

宇部商5-7沖縄水産

 

1995年・

〔三分一

1回戦

宇部商10-9桐蔭学園

2回戦

宇部商1-4銚子商

 

1998年・夏

〔藤田A山下

1回戦

宇部商5-2日大東北

2回戦

宇部商2-3豊田大谷 (延長15回)

 

2001年・夏

〔古谷A、城美山本

1回戦

宇部商0-12花咲徳栄

 

2002年・夏

〔古谷〕

1回戦

宇部商2-3常総学院

 

2005年・

〔好永

1回戦

宇部商6-2高松

2回戦

宇部商0-2愛工大名電

 

2005年・夏

〔好永

1回戦

宇部商7-4新潟明訓

2回戦

宇部商2-0静清工

3回戦

宇部商11-2酒田南

準々決勝

宇部商5-3日大三★★

準決勝

宇部商8-10京都外大西

 

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