l (その他)
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[事項]

絵画

ホルバイン作
「イエス・キリストの屍」


クロード‐ロラン作
「アキスとガラテヤ」





ハンス・ホルバイン作
「イエス・キリストの屍
とドストエフスキー











ハンス・ホルバイン作
「イエス・キリストの
(死んだキリスト、
墓の中のキリスト)

(スイスのバーゼル博物館蔵。1521年作。)

※、上は、この絵が展示されているバーゼル博物館の館内の写真。


この絵をバーゼル博物館で目にした時のドストエフスキーの尋常ならざる動揺・関心ぶりは、
アンナ・ドストエフスカヤ著『アンナの日記』(木下豊房訳。河出書房新社1979年刊。)
の中に記されている(1867824日の日記。p345)


小説の中では、
『白痴』の中の、
2編の4(新潮文庫の上巻のp405p407)、第3編の6(新潮文庫の下巻のp160p163)
で、触れられている。


『白痴』の中のその箇所の解釈としては、
中村健之介著『ドストエフスキー・生と死の感覚』(岩波書店1984年初版。市販中。)の中の
「V「墓の中の死せるキリスト」に見たもの―生の汎神論と死の自然科学」
が参考になります。


ハンス・ホルバイン
ドイツの画家。14971543
デューラーと並ぶドイツルネサンスの大家。スイスのバーゼルのほか、英・仏・イタリアで活躍した。特に肖像画にすぐれ、肖像画家としては史上最大の画家の一人として数えられる。父や兄も有名な画家として知られ、父と同名のため、小ハンス(ハンス・ホルバイン・ジュニア)と呼ばれる。
ほかの代表作として、
「マイヤー市長のマドンナ」
「ヘンリー八世像」「ロッテルダムのエラスムス」「トーマス・モアとその家族」など。
「マイヤー市長のマドンナ」も、『白痴』で言及されている(上巻のp140)



クロード‐ロラン作
「アキスとガラテヤ」
とドストエフスキー



クロード‐ロラン作
「アキスとガラテヤ」

(ドイツのドレスデン美術館蔵)

原画

『未成年』の第3部第7章の2(新潮世界文学では、p565)
で、ヴェルシーロフは、ドレスデン美術館で見たこの絵の世界を「黄金時代」と呼び、のちに自分の夢の中に現れたものとして、回想して述べている。
『未成年』の中のその箇所の解釈としては、
中村健之介著『ドストエフスキー・生と死の感覚』(岩波書店1984年初版。市販中。)の中の
「4「黄金時代」の夢―楽園の生を支える気分」
が参考になります。
この「黄金時代」のイメージは、『悪霊』『おかしな人間の夢』などでも登場してくる。

※、下部中央には、青年アキスと彼を愛する美女ガラテヤの愛し合う姿が描かれ、画面右の断崖の上には、ガラテヤに恋こがれる一つ目の巨人キュクローポスが迫ってきている姿が見える。


クロード・ロラン
フランスの風景画家。16001682。プッサンとともにフランス古典主義絵画を代表する画家。
歴史や神話に取材した壮大な構図の作品が多く、光と大気に注目した風景画を描いた。「アキスとガラテヤ」も、オヴィディウス(ローマの詩人)の『変身譚』から得ている。ほかに、代表作として、「クレオパトラの上陸」「シバの女王の乗船」「落日の港」など。



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