『地下室の手記』
(更新:24/11/17)
(※、別のタイトル訳
「地下生活者の手記」
「地下室の記録」)
概要
中編。ペテルブルグの片すみに引きこもったわたし(元下級官吏の独り身の中年男)の手記という形で、
前半(第一部)と後半(第二部)の末部は、理性・科学・数学的合理主義を掲げる未来社会や世間の人々へ向けてのわたしの独白の毒舌と批判で占められ、
後半(第二部)では、わたしが24歳の時の、自意識過剰のため仲間たちとうまくやっていけず除(の)け者にされていたことや、娼窟で出会い心を通わせることになった若い娼婦リーザを▲最後には冷たい態度をとって去らせてしまったこと▲が回想の形で語られている。
ドストエフスキーの小説の系列において、種々の面で転換をもたらした要(かなめ)となる小説とされている。
成立時期
服役を終えてペテルブルグに帰還した年の5年後(『罪と罰』の連載の2年前)の64年3月・4月に自分たちが編集の雑誌「世紀」に発表された。
『地下室の手記』についての論
1 ・ 2
邦訳・一覧
米川正夫訳
河出書房版全集
(巻5「地下生活者の手記」)
小沼文彦訳
筑摩版全集
(巻5「地下生活者の手記」)
江川卓訳
新潮文庫
(「地下室の手記」)、
新潮社版全集
(巻6「地下室の手記」)
中村融訳
グーテンベルク21
(「地下生活者の手記」)
水野忠夫訳
世界文学全集「ベラ
ージュ」巻43
(「地下室の手記」)
安岡治子訳
光文社古典新訳文庫
(「地下室の手記」)
亀山郁夫訳
集英社
(「地下室の記録」)
漫画化されたもの
・マンガ『地下室の手記』 (
1 )
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