ドストエフスキーの小説の
作風・手法に関して評し
ている古今の文章のうち、
感心したぶん、心ひかれ
たぶんを、事項を掲げて、
挙げました。
〇
ポリフォニー性、カーニ
バル性、イデエが表現
されていく芸術性
バフチンの論
〇
ポリフォニー性
亀山郁夫の論
〇
逆説に満ちている
野中涼の論
〇
正(プラス)と負(マイナ
ス)の電荷のせめぎあい
森和朗の論
〇
ドストエフスキーの頭
の回転の速さ。ディオニ
ソス的・躁宴的に思想に
陶酔しながら鋭さや弁
証法的深さが失われ
ない知性やその思想
ベルジャーエフの論
〇
魂のリアリズム、幻想
的リアリズム、象徴
的リアリズム
望月哲男の論
〇
生成過程にあり、陰
影を持つ(レンブラン
トのように描く)
ジイドの論
〇
読者は登場人物と一体
化させられ、登場人物
の中に、自分自身の
姿を見出す
佐藤泰正の論
埴谷雄高の論
〇
登場人物への作者の
共感力と冷めた目
中村健之介の論
〇
読者たちが共有してい
く大きなテーマ性がある
N-hiroの論
〇
悲劇、演劇性
マウリーナの論
〇
人間と神との関係を追求
作田啓一の論
梅原猛の論
〇
神と悪魔の文学
小沼文彦の論
〇
自由の中での神への反
逆とその悲劇的な帰結(挫
折や神の恩寵による救い)
を描いている
ベルジャーエフの論
松浪信三郎の論
渋谷大輔の論
.飯島宗享の論
高尾利数の論
〇
近代の病理学の書
川喜田八潮の論
川喜田八潮の論(2)
〇
各登場人物への熱い愛、
卑小な人々の内にもあ
る人間の尊厳を描く
木原武一の論
〇
登場人物における「二重
性(分裂や矛盾)」の描写
金澤美知子の論
〇
何らかの屈辱が先だ
って体験されている
ジイドの論
〇
自分をもてあます自意
識過剰の厄介者たち
福田和也の論
〇
生活に対する無知、
職業性の欠如
中村健之介の論
〇
女性がほんとに描けて
いる
岡潔の論
〇
英雄よりも、弱者や劣
等者や病者を多く描いた
中村健之介の論
〇
登場人物の系譜・分類
加賀乙彦の論
〇
事件で始まり、多くのことが
不明の中、話が展開する
ペレヴェルゼフの論
〇
作中の出来事の短時
日性、圧縮された活力
加賀乙彦の論
〇
会話が中心、会話で筋が
展開
勝田吉太郎の論
〇
登場人物の内の善悪の
葛藤の中で、筋が進行する
伊藤整の論
〇
極端や逸脱の中におい
て人間の本質を観察
し洞察している
西谷啓治の論
サマセット・モームの論
〇
文学性、時代風土との
関わりをもっと見るべき
.江川卓の論
〇
ロシアの都会を舞台に
した同時代の文学で
あること(時代小説を
書いていないこと)
キルポーチンの論
〇
ロシア人が見たがらな
いロシア人の恥部を描いた
内村剛介の論
〇
霊媒の助けをかりて書
いたにちがいない、と
いった印象を与える
池内紀の論
〇
作者の内の悪霊祓い
という役割
ルネ・ジラールの論
〇
思想にとりつかれた人間
の描写
小林秀雄の論
〇
感覚に裏打ちされた思想
桶谷秀昭の論
〇
ユーモア性や明朗さにも
注目すべき
五木寛之・原卓也の論
.中村真一郎の論
〇
テキストへの仕掛け、表現
へのこだわり、流行に敏感
江川卓の論
〇
ドストエフスキーの
書くロシア語原文の特徴
中村健之介の論
〇
マイナス面にこだわり過ぎ
コリン・ウィルソンの論
〇
苦難に淫(いん)するや
り方、キリストの垂れ流し
ウラジミール・ナボコフの論
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